ルワンダの首都キガリにて2018年8月から3ヶ月で103件の貧困女性調査を行いました。
調査を始めたきっかけや目的などは以前のブログで紹介していますのでご参考ください。

今日は、貧困と子どもの教育・家庭環境について103件の調査結果をもとに紹介します。
ルワンダの貧困女性調査:貧困と子供の教育についてわかったこと
ルワンダの教育
(以下、全ての写真に写っている子どもと調査内容については一切関係ありません)
まず、ルワンダの基本的な教育システムについて簡単にご紹介します。
ルワンダの学校はPrimary6年(小学校のこと)、Secondary6年(中学3年、高校3年が合わさったような6年教育)通い、その後大学に進学します。
基礎教育はPrimary6年間とSecondasyの始めの3年間で計9年間です。
日本の外務省が出しているルワンダの学校情報ではPrimary・Secondayの公立学校は無料となっていますが、実際は学費がかかります。
地域や年度によって多少学費が異なるのですが、2018年首都キガリでインタビューをおこなった時点の学費は以下でした。
Primary:学費として3000RWF(384円)+先生へのお金1000RWF(128円)を各学期に収める。先生へのお金は給料や学校の維持費になるようです。
Secondary:学校によって学費が大きく異なっていたのですが、各学期22500〜25000RWF(2878円〜3198円)が多いです。寄宿学校は食費・寮費込みで各学期80000RWF(約1万円)。寄宿学校はルワンダの中で優秀なこどもたちが通う公立の学校です。
※1年に3学期あります。
※レートは2018年11月18日現在のものです。
貧困家庭の教育・家庭事情
以下のデータは2018年、ルワンダの首都キガリにある8村において、貧困家庭103件の調査から得たものです。
※貧困家庭を1日1.9ドル以下の収入と定義しています
・就学児童がいる家庭:103件中83件。
※ここでは就学児童の定義を基礎教育を受けるべき6歳から13歳までの子としています。
・就学児童がいる家庭の母親の平均年齢:38.6歳
・就学児童がいる家庭の子供の平均の数:3.67人
・就学児童がいる家庭83件中、その子供たちが母親と一緒に住んでいる家庭は56件(67%)。
・27件(33%)の家庭の子供は親戚やお金に余裕のある家庭に預けれられており、学費や生活費は預けられている先で負担してもらっている。
・就学児童がいる家庭でシングルマザーは58件(70%)
・就学児童が母親と同居している家庭で電気がある家40件(48%)
・就学児童が母親と同居しており、学費の支援を一切受けていない家庭39件(46%)
・54%の家庭はなんらかの学費支援をうけている。
という結果になりました。
46%の家庭は学費の支援をうけていませんが、これは「学費を払えている」というわけではなく「学費が払えていない」ことがほとんどなのです。ですから半数近くの家庭の子供たちは学費が払えず進級できていません。
9歳だけど、小学校1年生という感じの子がほとんどです。また学費の支援を受けられている家庭は、親戚の家に預けられてその家庭で学費支援をうけている場合も含まれています。
他の支援としては、NGOが負担している、政府から学費半額免除を得ている、親切な人が学費負担してくれている、教会が負担してくれている、などです。
そして、たまたま運良くNGOや学費を負担してくれる親切な人を見つけられたというだけで、支援をうけられていない家庭と他には大差ありません。
小学校ですと各学期500円で通えますが、それが払えないのが現状なのです。
実際は学費が払えていない子供たちも学校に行きます。
運の良い子はそのまま授業を聞くことができるのですが、学費を払っていないために学校から追い出される子もいます。それでも子供たちは粘り強く学校に行くようです。
ただ学費が払えないと授業を聞くことができても、成績がもらえないため、進級はできません。
みんな学校に行きたいのは同じです。
調査を通して出会った一人の男の子は、シングルマザーの家庭で、お母さんが病気で働けず無収入でした。
でも彼は学校に行きたいから、と近所の家庭の水汲みのお手伝いをしてお小遣いをもらい、そのお金で学校に通っていました。
その子は9歳だったのですが、他の子よりも腕の筋肉がたくましかったです。これが首都キガリの現実です。このスラム街は高級住宅が並ぶエリアと道一本しか変わりません。
私はアフリカの素晴らしいところも発信していきたいですし、そうしています。
でもこの現実もあることも多くの人に知って欲しい。
そして、こういった貧困の状況にある人たちがこの先発展していくアフリカ・ルワンダで取り残されないようにしたい、という思いがあります。
そして、調査を通して考えたことは、
全ての子供たち・女性を支援することはできない、
だからこそ、スラム出身の優秀な子どもたちを支援して未来を作れるように支援したい、ということです。
まずは支援できるようなお金を作る仕組み作りからですね。