ルワンダの貧困女性

ルワンダの貧困女性調査:見えてきた問題点を4つ紹介します

ルワンダ 貧困女性調査 問題点

2018年8月から東アフリカにあるルワンダという小さな国の首都キガリに住む貧困女性を対象に調査を開始。

2018年9月までに41人の方を対象にインタビューをさせていただきました。

この記事は現時点で見えてきた問題を4つご紹介します。

ルワンダの貧困女性調査:見えてきた問題点を4つ紹介する

貧困女性調査:対象者の概要

  • ルワンダ首都キガリに住む貧困女性(1日1ドル以下の収入)
  • 平均年齢41.25歳
  • 子供の数の平均3.9人
  • パートナー・夫がいる人の割合 31%

見えてきた問題

 1994年ジェノサイドの影響

41名のうちほぼ全員が両親・兄弟または夫の誰かしら身近な親族をジェノサイドで亡くしていました。

調査対象女性の平均年齢は41歳。つまり、多くの女性たちが1994年時点で10代でした。

10代の子供が目の前で親や兄弟を殺され、常に命を脅かされる生活を追っていたのです。

家族の命だけでなく、財産や住む場所も失いました。また学業のチャンスを失い、小学校を卒業できたのは41人中、13人。数名の方は、孤児となって子供のうちからハウスキーパーとして働いていました。小学校を卒業できずに働き始めた今の成人女性たちは、読み書きがやっとの状況です。

貧困が貧困を生む、この現状を目の当たりにしました。

 医療保険

ルワンダには国民皆保険制度なるものがあり、収入や財産に応じて4段階に保険が振り分けられます。

私が調査している女性のほとんどが貧困層と言われるレベル1もしくはレベル2の人たち。

ここでレベルの違いを簡単に説明しますと

レベル1の人たちは貧困と判断され、保険料の免除や学費の減額が受けられます。

レベル2の人たちは保険料年額3000RWF(約400円 2018年9月26日現在)の保険料を払い治療費の一部負担のみで治療を受けられます。学費の減額などはありません。

ここで見えてきた問題は、

年400円の保険費が払えない、本来ならばレベル1になるべき人が保険料を払わなければならないレベル2で、保険料はもちろん未払い。

病気になって、医療を受けることができず、体調不調で働くことができず、さらに貧困に陥るという現状がある、ということです。

彼女たちはセクターオフィス(役所)に行き、現状を伝え、レベル1に変更してもらうよう頼みに行ったけれども、却下されたのです。役所に強く訴えすぎてレベル2からさらに負担の重くなるレベル3に上げられた人もいました。

一方、そういった彼女たちより収入が安定しているのにレベル1の人もいます。

この現状を作り出したのは、コンピューターシステムの問題(情報入力の問題)言う説があります。

また一度決められたレベルは変更がとても難しく、その理由は、

  • レベル1の人が多すぎて政府はこれ以上レベル1の人を支えることができないという説、
  • 住民と村長との関係が悪く村長が役所にちゃんと掛け合ってくれないという現状などあるようです。

また、どんな家であれ、賃貸でない購入した家にして住んでいる場合、ベーシックインカムがなくても必然的にレベル2になってしまいます。

複雑で闇の多い原因によってさらなる貧困を生んでいました。

貧困とHIV服薬

2つの町で調査を行いましたが、同じセクター(市のような感じ)でも町が違うと雰囲気が異なります。

始めに行った町はセクターの中でも首都で1・2を争うスラム街。

始めはHIV罹患に関する質問は行なっていなかったのですが、話を聞いていくうちにHIV・AIDSの話が頻繁にあり、「もしかしてHIV罹患率高いかも?」と感じ、途中からHIV罹患について質問し始めました。

結果、そこの町で聞いた15人のうち7人がHIV罹患していたのです。(2016年 ルワンダ国内罹患率3.1% UNAIDSより)これには驚き。

よかったのは、ルワンダではHIV患者は無料で薬を処方してもらえ、定期検診も無料で行なっています。なので全員薬を持参していました。

しかし、ここで見えてきた現状は、副作用と食事の問題。

彼女たちは1日1食食べるのがやっとの生活。

しかし、1日2回の内服が必要です。

AIDS予防薬は副作用もあり、空腹で内服すると気持ち悪くなったり、めまいがしたりもうろうとする、幻覚のようなものが見える、と言う人が何人かいることがわかりました。しかし、内服は絶対に欠かせません。

2人は、空腹でと副作用で内服することが困難、ちゃんと内服できていませんでした。

HIV罹患している女性の半数近くはAIDSで夫を亡くしています。

副作用で動けなかったら働くこともできず、ご飯も食べられなくなります。

みんなちゃんと内服の大切さをわかっているけれど、それが難しい現状がみえてきました。

 路上販売禁止

41件対象女性のうちパートナーもしくは彼女自身で定職がある人はほんの僅か。

ほとんどの人は、日雇いです。

それも週に1回みつけらるかどうか。

女性は洗濯・掃除・ゴミ集めが多く、男性は建設業の手伝いが多いです。

日当は約1500RWF(約200円)がmaxで800RWF(約100円)にも満たない人もいます。

彼女たちはずーっと何年もそうして働いてきたか、というと実は違うんです。

41件調査したほぼ全員がかつて路上で頭に野菜やフルーツをバスケットに乗せて歩きながら販売していました。

しかし、数年前、政府によって違法とされ、禁止されたのです。

ルワンダでは市内でバスケットを頭に乗せて販売している人はあまり見ません。

あまり、というのは全くいないわけではなく、まあまあいるのです。

警察が彼女たちを見つけると良ければバスケットと販売している食品・売上金の没収、悪いと3週間の投獄です。

3回投獄されて路上販売をやめたと言う人もいました。

「なぜここまでして路上販売を続けるか?」というと、路上販売だと良い日は2000RWFの売り上げがあったり、日雇いよりも収入がよいので、いまだに続けている人がいる、という現状です。

あるお宅ではお母さんがいまだに路上販売をして生計をたてていました。息子・娘は10代後半で学校には行っておらず家にいるのですが、彼らは働かない。高校を卒業していないから、仕事がないのだと言います。

ではなぜお母さんと一緒に路上販売で働かないのか、聞くと、家族のうち2人が投獄されたら家を維持するのが厳しい、だから一人だけリスクを冒して働くのだ、と言っていました。それが一家のお母さん。絶句でした。

ルワンダ 貧困家庭 インタビュー

まだ41件の調査ですが、様々な問題が見えてきています。

全てを解決することはできませんが、何か小さな一つを改善することはできるかもしれない。

私に何ができるのか、まだ探っている段階です。

でも一番感じることは貧困という負の連鎖を断ち切るには、未来を作る子供達への教育なのだと感じます。

学費が払えるように母親に雇用を与えられうよう邁進です。

 

ABOUT ME
Chisato823
千里(Chisato) ルワンダ在住、助産師。 ビジネスで女性支援をするためAfricanDaisyを設立 元青年海外協力隊(27-3/ラオス) バツイチ再婚、遠距離恋愛も経験済み。 アフリカ旅情報やルワンダ女性のこと、書評や日常など書いています。