AfricanDaisy

ルワンダで女性支援のためのベーカリー事業:備えあれば患いなし?契約書の重要性

アイキャッチ

東アフリカに位置するルワンダ共和国の首都キガリ でグルテンフリー ・ビーガンの焼き菓子販売を通して女性支援をしています。

現在は、COVID-19の影響で事業停止していますが、この間を活用してルワンダでの事業経験をまとめていきます。

異国文化で事業を行うということは自分の価値観・常識が覆されることが頻繁に起こります。また、法がしっかり整備されていないような開発途上国では予測していなかった問題が急に生じた時、守ってくれる人・法律・適切な機関を見つけるのに時間も精神も必要以上に使います。異文化に溶け込み適応していくには、臨機応変に受け入れ、変化をしていくことが重要ですが、それ以上にトラブルに備えて最大限の準備をしておくことが大切だと身をもって経験しました。

この記事ではトラブル回避のために私が準備したこと、そして実際に起きたトラブルをご紹介します。今後、開発途上国での支援や社会起業を行う方の参考になれば幸いです。

ルワンダで女性支援のためのベーカリー事業:備えあれば患いなし?契約書の重要性

準備したこと:契約書・誓約書

当たり前と思うかもしれませんが、トラブルに備えて契約書を作成しサインを取っておきます。契約書は双方がお互いの権利を守り、円滑にことを進めるには大切なものです。

事業を始めるまで、契約書を軽く眺める程度で内容を一つ一つ確認することありませんでした。事業主となってみて初めて、事業・自分・従業員を守るために契約書がこんなにも大切なのだと気づきました。

そして、重要なのはその国・文化ならではの起こりうるトラブルを想定し、「そこまで書くか!」というくらい詳細に内容を記載すること

例えば、雇用契約書。

契約書を作成する前にルワンダでビジネスを通して女性を支援されている大先輩事業主にお話しを伺い、経験談としてのトラブルやそのための対策を伺いました。トラブルとして最も起こりうる内容が、盗み・遅刻・嘘です。

そのため、契約書には盗みに含まれるものとして、バナナや砂糖やチョコレート(貧困層の方にとっては砂糖は高級品です、チョコレートは食べたことすらありません)からトイレットペーパー、ペンなど、細かな内容を全て記載しました。

また、就業開始時間前に来るという常識は通用しません。実際に、事業を始めてから「30秒しか遅刻してないから遅刻じゃない」というスタッフはいました。「まあ30秒ならいっか」と一度”30秒”を許すと次は1分でも2分でも遅刻します。線引きはどこかでしっかりしなくてはならない。そこで、契約書には1秒でも過ぎたら遅刻で罰金と記載しました。

罰金でも遅刻する人は現れます、そして「鍵を閉め忘れたから遅くなったけど、それは私のせいではない。」と訳のわからない会話が始まり、自分の過ちを認めずに進歩がありません。それでも「契約書に書いてあるからあなたの過ちでなくても遅刻は遅刻。罰金です」と最後には相手も納得して話を終えることができました。

ちなみに遅刻の解決方法として「1ヶ月間1度も遅刻しなかったらボーナス!!」としたところ、全員が10分以上も前もって出勤するようになりました。

賃貸契約書はオーナーが契約書を作成することが多いですが、ルワンダではちゃんとした契約書を用意してくれるとは限りません。初めて作業場として借りた場所は、契約書がなかったために、自分で用意しました。

契約書には入居前の修繕が終わる日、修繕する箇所(細かく)も書きました。

しかし、大家は契約書に記載した日までに、約束した修理を終わらせず、何度も交渉したのですが、取り合ってもらえませんでした。

入居後も窓が壊われても大家は対応しなかったりトラブルが多いため、前家賃として支払済みだった月数が経つ前に場所を変えました。家賃は戻ってこないため、払ってある月日までは私がオーナーだったのですが、部屋を空けて数週間後に大家は違う人に又貸しをし、お金を2重にとっていました。紛れもない犯罪ですが、警察はすぐには動かないだろうと考えられていたため、弁護士に相談し、1ヶ月近く大家との交渉がかかりました。その時ももちろん契約書が立派な証拠になりました。

さらに100円くらいのお金の貸し借りにも全て誓約書を作りました。基本的にはお金を貸すことはありませんが、どうしても必要な時があります。たかが100円と思うかもしれませんが、相手にとっては大金、100円を借りる人は100円を返すことが困難です。そして借りた相手が日本人のようなルワンダ人からすると億万長者のような人だと、「100円くらい許してくれるだろう」と返済を渋ったり忘れたふりをします。そこから人間関係のトラブルにつながり信用関係がなくなるので、どんな金額だろうが誓約書を作りました。

契約書・誓約書に想定されるあらゆるトラブルを記載し、対処法を記載し、相手にも事前に了解を得ておくことで、トラブルが起きたときに、余計な時間と労力を使わずにすみます。

契約書を書くことは当たり前かもしれませんが、ルワンダのように時間や約束が守られない文化では、小さいことだと契約書はないため、そういった時でも簡単な契約書(誓約書)を自分を守ることはとても大切だと身を持って経験しました。

契約書に救われたことはまだまだ多くありますが、ここでは書ききれないため、追々追加していきます。

ABOUT ME
Chisato823
千里(Chisato) ルワンダ在住、助産師。 ビジネスで女性支援をするためAfricanDaisyを設立 元青年海外協力隊(27-3/ラオス) バツイチ再婚、遠距離恋愛も経験済み。 アフリカ旅情報やルワンダ女性のこと、書評や日常など書いています。