この記事は何遍かにわけ、ビジネス経験ゼロの私が2017年にルワンダに移住してから2019年10月「グルテンフリー ・ビーガンの焼き菓子事業を通じてルワンダ首都キガリ で女性支援を行う」事業を始めるまでの経緯についてご紹介します。
ソーシャルビジネス(社会起業)や途上国支援に興味がある方、具体的にやりたいことがあるがどのように事業化できるか方法を探っている方に参考になればという思いで綴ります。
ビジネス経験ゼロの私がルワンダでソーシャルビジネスを始めるまで①
見切り発車で会社を設立
2017年11月、夫に帯同する形で初めてルワンダに来て、首都キガリ で女性の物乞いが多いことにショックを受けました。
それをきっかけに2018年5月、女性支援の目的で会社AfricanDaisyをルワンダで登記し、キテンゲ (アフリカ布)で作った雑貨を日本で販売し始めました。
詳細は以下で紹介しています。

今思うとお恥ずかしい話ですが、全て「見切り発車」。
ビジネス経験ゼロの私は、経営・マーケティングについて、さらにはルワンダの税金についても無知。
税金関係の資料はもちろん英語、専門用語まででてきます。少しずつ読み解き、親切な会計士に教わりながら勉強しました。経営・マーケティングはネットで調べる程度の浅はかさでした。今では本は読みながら勉強していますが、まだまだ努力不足です。
さらにビジネスだけでなく、私は女性たちの生活ぶりやニーズなど何も知らない、と気づきました。
貧困女性の訪問調査を開始
そこで2018年8月から約3ヶ月間、1日1.9ドル以下で生活する女性100名以上の家を訪問し、調査を行いました。
訪問調査で理解したことは以下で紹介しています



訪問調査を終えた感じたこと
想像を上回るような厳しい現実を目の当たりにしました。
女性に会うたびに頭の中で絶えず巡っていた疑問は「なぜ、貧困から抜け出せないのか?」「どうしたら貧困から抜け出せるのか?」「女性たちのニーズはなんだろう?」ということです。
貧困について考える
貧困は世代間で連鎖することを実感しました。
女性達の生い立ちを聞くと、多くは幼少期より貧困下で育ち、初等教育も受けたことのない人もいました。また、1994年のルワンダ大虐殺で孤児となり学校を中退、物乞いをして育った人や、子供のうちから住み込みでお手伝いさんとして育った人もいました。
大人になっても状況は変化せず、学費を払えず子供達も学校にいけない、食事は1日1回がやっと、という貧困の連鎖に陥っていたのです。
私は、教育こそが貧困を断ち切るために一番大切だと感じています。
彼女たちの多くは、給料をその日に使いきってしまい学費や家賃のために貯金ができない、借金の返済計画が立てられない、商売の損益を計算できない、時計をみて行動することができないなど困難が多く、生計を立てることに苦戦してしいました。
もし、学校で計算方法、時計の読み方を習っていたら?学校で道徳や未来について考える時間を享受できていたら?今の生活は違っていたかもしれないと感じます。
また、「洗濯・掃除」「ゴミ収集」以外に手に職をもっておらず、大勢が同じ仕事を探すため、なかなか仕事が見つかりません。
教育を受けることで特技や自分にあった仕事を考える機会も学べます。
教育は計画を立てる能力、道徳・倫理について考え社会について考える機会だけでなく多くの大切なことを得ることができ、夢をもち、自ら人生を切り拓くことができるようになると信じています。
子供達を支援し、教育機会を与えればよいではないか?という考えもありましたが、私はそうは思いませんでした。
子供をもつ親が自ら「子供に教育を与える」という覚悟をもって、子供達が未来をつくる機会をつくってほしいと感じたのです。
女性たちのニーズは?
では、どうしたら女性と子供達たちは貧困から抜けだし、未来を見れるようになるのでしょうか?
調査をして気づいたことは、みんながみんなとて仕事がなく、したがって収入がほとんどないということです。
女性たちは洗濯や掃除、ゴミ収集など不定期の日雇いでどうにか生活しており、仕事が見つからず売春をする人もいました。
男女平等と誇りをもつルワンダですが、実際こうした女性たちと接していると平等だとは思いません。ルワンダで多く見るバイクタクシー・自転車タクシーは全て男性。女性が公共の場で仕事をしているのを見るのは掃除、建設現場(しかし男性がほとんど)など限られた場所です。
銀行や役所では働いている女性を多くみるので、そういった層の人々をみていると男女平等と思われるのかもしれませんが、貧困層では、違います。とにかく女性たちは仕事がない。
そこで、女性たちに仕事を提供し、そのお金で自ら子供達に教育機会を与え貧困の連鎖を断ち切ってほしい、と強く感じるようになったのです。では何ができるのか?
でも、仕事・収入さえあれば彼女たちは自立できるのか?