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本「アパルトヘイト」世界各国のエゴについて考える本を紹介

アパルトヘイト

1994年まで続いた南アフリカのアパルトヘイト。欧米諸国や日本の政府は、この問題にどう対処したのか。そして、第二次世界大戦後にヨーロッパの植民地から脱却し、黒人政権が次々と誕生していたアフリカ大陸で、なぜ南アフリカの黒人だけは、最後まで虐げられ続けたのだろうか?

気に止めなければ考えることもなかったような、でも重要な問題が書かれいる山崎雅弘氏によって書かれた一冊「アパルトヘイト」をご紹介します。

本「アパルトヘイト」世界各国のエゴについて考える本を紹介

この本を手にとったきっかけ

先日、南アフリカの歴史を大して知りもせずにケープタウンを訪れました。

そこで感じたことは「経済格差が激しい」ということです。

ケープタウンの沿岸沿いにはこんな高級住宅街が立ち並んでいます

少し道をそれるとバラックの家々も多く立ち並んでいます。

その背景には1994年まで続いた人種差別、そこから2010年FIFAワールドカップをとりまく経済成長、その波に取り残された黒人たちがあったのだとわかったのです。

そして人種差別「アパルトヘイト」がどんなものだったのか、興味をもって手にとりました。

この本をオススメする人

この本は30ページくらいの1時間未満で読める本なので、世界史で南アフリカの歴史を勉強している人は簡単に読め、理解が深まる一冊です。

内容紹介

南アフリカで「アパルトヘイト」が生まれた歴史

1652年にオランダが南アフリカ;ケープに初めて入植して黒人奴隷を作り上げた歴史から、イギリス植民地時代のアフリカーナー(アフリカ生まれの白人)との対立関係解消のための手段として平然と黒人奴隷が容認されてきた背景、第二次世界大戦後にできたアパルトヘイトという制度が一通り紹介されています。とにかく読みやすく理解しやすい。

アパルトヘイトに対して欧米諸国と日本がとった行動

欧米諸国と日本の対応について本書では以下のように紹介されています。

20世紀における最悪の人道的犯罪のひとつといわれるアパルトヘイトだが、この時代錯誤的な人種差別政策が国際社会で激しい非難を浴びつつも、世紀末近くまで生き長らえた背景には、単に現地の白人社会における黒人への差別意識に留まらない、きわめて複雑な政治的事情が存在していた。

この問いかけに私はハッとしました。

この複雑な政治的事情とは西欧諸国のソ連・社会主義への脅威、日本の経済打撃を避ける動きなのです。黒人差別と日本は関係ない印象があるかもしれませんが、日本人ももっと世界の動向に敏感になり責任をもたなくてはならない、ということを考えさせられます。

アパルトヘイト撤廃の背景

1967年の南アフリカ政府の警官隊が黒人学生のデモ行進に発砲し多くの死者を出した「ソウェト蜂起」によって欧米諸国ではアパルトヘイト反対運動が拡大しました。

それによって海外投資家が南アフリカから引き上げたことで経済的打撃をうけました。

また、今までアパルトヘイトに寛容だった西側諸国も東西冷戦が終わったら寛容である必要がなくなるため、南アフリカは窮地にたつことになります。

そして1994年アパルトヘイト撤廃となりました。

しかし、南アフリカ国内はそう簡単に人種差別撤廃は進みません。

黒人解放運動の幹部が白人によって殺され、内戦の危機に直面しましたのです。

間一髪、ネルソンマンデラ氏の呼びかけが内戦を回避させます。彼の非暴力での解決に向けた意思は27年の投獄を得ても変わっていなかったのです。

また彼が大統領になったときの白人政府への言葉も鳥肌がたちました。

あなた方の知識が国の発展に必要です、ぜひ我々と共に働いてください

許すという行為だけでも並大抵のことではないのに、さらに未来を共に歩む道を選択したのです。

彼のおかげで今の南アフリカが平和であるのだと理解できました。

ABOUT ME
Chisato823
千里(Chisato) ルワンダ在住、助産師。 ビジネスで女性支援をするためAfricanDaisyを設立 元青年海外協力隊(27-3/ラオス) バツイチ再婚、遠距離恋愛も経験済み。 アフリカ旅情報やルワンダ女性のこと、書評や日常など書いています。