読書

本:私の仕事ー国連難民高等弁務官の10年と平和の構築ーを紹介

この記事では、緒方貞子氏自ら書いた本「私の仕事 国連難民高等弁務官の10年と平和の構築」を紹介します。

ベルリンの壁崩壊、冷戦集結から2年後の1991年、難民高等弁務官事務所の高等弁務官として就任した緒方貞子氏。退任するまでの10年間は難民が大量流出した時期でした。

この本では激動の難民情勢の中で彼女が残した日記を始め、就任中の取材記録、演説・講演で語った言葉を通じてリアルタイムの緊迫した状況や難民問題の複雑さ、そして課題を記しています。

緒方氏が日本人としての視線で日本の難民問題に対する課題と期待も語っており、日本がこれからどう貢献していくことができるのか考えることができる一冊。

本:私の仕事ー国連難民高等弁務官の10年と平和の構築ーを紹介

この本の概要

緒方貞子氏が高等弁務官に就任した1991年はベルリンの壁崩壊、冷戦終結から2年が経過した年、それからの10年間は世界中に同時多発的に難民の大量流出が起きた時期でその対策に追われた時期でした。

彼女は”一番役に立つ方法は何か”という判断基準のもとイラクでの難民発生のときには国内避難民として国境を越えずとも救済できるように体制を確立し、難民の定義の幅を広げ、支援の手を伸ばしました。

また、就任期間の間にモザンビーク難民をはじめ、インドシナ難民やグアテマラ難民の難民問題の解決も成し遂げます。

彼女は現場主義として難民と寄り添い、難民が難民でなくなるように奮闘し多くの功績を残しただけでなく、現場で働くUNHCRの職員の安全を守るために緊張状態のなかトップとしての責任を成し遂げたのですが、彼女のすばらしいキャリアだけでなく優しさも垣間見ることができ女性としての素晴らしさに感動。

この本を手に取ったきっかけ

将来像を描くために世界で活躍する女性を知りたいと思い手に取った本です。

彼女の活躍や難民のために尽力する様子は彼女の強さと優しさを学んだだけでなく、世界中で活躍した彼女だからこそ日本の問題点・課題を理解した上で日本人や若者へのエールも添えられており、励ましをもらいました。

印象に残った内容紹介

難民問題解決の糸口

難民問題の解決には保護と救済だけでなく、難民が難民でなくなるようにすることが必要です。

難民がなぜ発生するのかを原因を追っていくと行き着くところは貧困や経済の問題ですが、貧困が難民をうむわけではない、と彼女はいいます。

開発をすれば難民を出ないという発想や議論がずいぶんあるのですが、これは中間的な原因を無視しずぎた、単純化した議論だと思うからです。貧困な国が全部、難民を出しているわけではないですから。

そして「難民が出るのは政治の問題」と。

政治が紛争を巻き起こした時に大量難民がでてくる。そう考えると難民問題の解決には政治対立の解決が必要なんですね。

これを読んで、貧困ばかりに目がいっていた私はハッとしました。小さい単位の問題に目を向けると貧困に辿りつくため、貧困の根本を解決すれば良いと考えていましたが、彼女が言う、コミュニティーを支援して自立させる・政治対立を解決に向かわせることが重要という教えを学ぶことができました。

 

ABOUT ME
Chisato823
千里(Chisato) ルワンダ在住、助産師。 ビジネスで女性支援をするためAfricanDaisyを設立 元青年海外協力隊(27-3/ラオス) バツイチ再婚、遠距離恋愛も経験済み。 アフリカ旅情報やルワンダ女性のこと、書評や日常など書いています。