読書

本:途上国の人々との話し方-国際協力メタファシリテーションの手法-

この記事では「途上国の人々との話し方ー国際協力メタファシリテーションの手法ー」を紹介します。

JICA海外協力隊生活が終わり、ルワンダで草の根活動をしている現在でも学ぶことが多く、異文化の人と関わる仕事をしている人には学ぶことが多い一冊です。電子書籍では買えないため、JICA海外協力隊で海外に派遣される前など日本を出国する前に買うことをオススメします。

感想

私がこの本を読んだのは、JICA海外協力隊が終わった後でした。

協力隊時代に活動していて感じたことの一つは「ここの人たちはみんな同じような考え方をしているな。なんでこんなに単純なのだろう?」ということでした。しかし、この本を読んで気づいたのは『答えが同じになるような質問を私がしたから』ということです。

みんなが同じ答えするのは事実ではなく、援助者である私が期待する答えを言っていたのだと、この本を読んでいてハッと気づき、なぜこの本をもっと早く読まなかったのだろう、と後悔しました。

この本をオススメする人

JICA海外協力隊のように途上国で人々に関わりながら国際協力を行う人。また、電子書籍では入手できないため、派遣される前の日本にいる間に読むことをオススメします。

概要

著者である和田信明氏と中田豊一氏によって生み出されたメタファシリテーションという手法を紹介している本です。

メタファシリテーションとは課題を抽出する際や問題分析するために重要なコミュニケーション手法で、質問方法や内容、また会話の進め方の方法論です。

方法の一つして、単純な質問を意図的に積み重ねていくことがあります。

例えば、相手の食生活に関する事実を知りたい場合、

「あなたの好きな食べものは何ですか?」や「普段何を食べますか?」という質問ではなく

「今日の朝は何を食べましたか?」「では昨日の夜は?」という単純な質問を行なっていくことです。それが真実を知るための効率的な方法なのです。

課題の分析をする上で大切なことは、感情や考えを聞く質問でなく事実を聞く質問をしなくてはならないということ。「いつも」「普段」「一般に」という言葉を使用して質問をすると事実ではなく考えを受け取ることになる、ということを教えてくれています。

また、開発援助をすると、受益者である相手国の村人は援助者に対して事実よりも相手の理想とする答えを述べることが多く、援助者の質問の方法次第を工夫しなければならず、この本では、方法を実践の例を紹介しながらわかりやすく教えてくれています。

そして、単なるコミュニケーション手法だけでなく、課題の分析手法や開発・貧困に対する捉え方も学べるのもオススメのポイントです。

印象に残った内容紹介

相手が勝手に気づく

メタファシリテーションのすごいところは、単純な質問をすることで、なぜ?の気づきを相手に考えさせることです。例えば、なぜ水泳を頻繁にするの?と聞かれるととっさに「気持ち良いから」と私の場合答えてしまいます。それは確かに事実なのだけれども、いつ水泳を始めたの?と聞かれ、「3年前」と答えると「なぜ3年前に水泳を始めたのか?」を思い出すことができるのです。それがダイエットのため、となると、水泳するのはダイエットのため、と究極の真実にたどりつけるのです。

単純な質問をすることで、思い出し、気づきを得ることができる、と著者はいいます。

「80歳のオバチャンにも10歳の子どもにも分かるように話せ」

村の集会にくるのは若い世代からお年寄りまで世代が分かれる場合があります。その時に全員が理解できるように言葉を優しくし、子供でもお年寄りでもみんながわかるように言葉を選ぶように努めなくてはならない、ということを教えてくれました。

ABOUT ME
Chisato823
千里(Chisato) ルワンダ在住、助産師。 ビジネスで女性支援をするためAfricanDaisyを設立 元青年海外協力隊(27-3/ラオス) バツイチ再婚、遠距離恋愛も経験済み。 アフリカ旅情報やルワンダ女性のこと、書評や日常など書いています。