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本:経済対策で人は死ぬか?:公衆衛生学から見た不況対策を紹介

この記事では”経済政策が健康や死亡率にどう影響を及ぼすのか”について紹介している本「経済対策で人は死ぬか?:公衆衛生学から見た不況対策」を紹介します。

2020年現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行により世界中が未曾有の経済危機を経験しています。この本を通じ”過去の金融危機で各国の政治的選択が人々の命や健康に与えた影響”を学ぶことで、私たちが現在経験している政策が今後、健康や経済にどのように影響をもたらすか考えることができる一冊です。

本:経済対策で人は死ぬか?:公衆衛生学から見た不況対策を紹介

この本の概要

この本は、2人の学者が「経済政策は経済成長や財政赤字のならず、文字どおり国民の生死に関わるものだ」というテーマで膨大な研究データを用いてまとめたものです。

1930年代の世界恐慌、1991年のソ連崩壊、1997年アジア通貨危機、2009年の世界金融危機やギリシャ危機といった数々の緊急危機における各国の政策を死亡率や健康のデータと照らし合わせています。

例えば2009年の不動産バブルの崩壊が招いたリーマンショックでは、同じ不況下でもイギリスとアメリカで異なった政策を行った結果、一方は人々の健康を守りながら景気回復を成し遂げ、一方は死亡率の上昇やさらなる景気後退を招きました。

金融危機、経済危機をきっかけに政務危機に直面した国は一般的に医療・食料・住宅への補助を続けることは難しいですが、逆に社会保護・公衆衛生への予算投入を手厚くすることで、人々の健康を向上させるだけでなく結果的に財務軽減にもつながり経済回復が早まることもできる投資となる、と明らかにしています。

そして、重要なポイントは経済危機が健康に影響を与えているのではなく、経済政策が影響を与えているということ。

社会経済政策はどんな薬よりも、手術よりも、個人の医療保険よりも人の生死に大きな影響を与える

まさに今、世界中が未曾有の感染症によって経済の不況を経験していますが、この本を通して現在の政策に対する見解も変わると思います。政策の目的や期待される効果を理解することで、本当に必要な政策とは?日本の未来は大丈夫か?と自分の生活に落とし込み冷静に考えることができるのです。

この本を手に取ったきっかけ

COVID-19が大流行する中、ニュースなどで公衆衛生の専門家が状況を数字を使って解説する場面を見るようになりました。私は、不謹慎ながらも、この統計をつかって人々の健康を予測する面白さに興味をもったのです。

そこで「公衆衛生」というキーワードで本を検索したところこの本に出会いました。

この本を読み、公衆衛生学が健康にどう貢献するかだけでなく、公衆衛生学を用いることで政治政策がどう健康に影響を与えるかを知る事ができ、公衆衛生の魅力をさらに感じることができました。

この本をオススメする人

現在の新型コロナの影響で経済の先行きが不安な方にお勧めします。

というのも、この本を読むことで日本の経済政策をみる視点が変わり、何に目を向ければよいか、何を大切にするべきか、を知る事ができるからです。

著者の紹介

著者はデヴィッド・スタックラー氏(公衆衛生学修士、政治社会学博士)とサンジェイ・バス氏(医師、医学博士)。経済と健康の関係を研究し、『人々の健康や生死を左右するものは経済危機ではなく、経済政策による』ということを明らかにし、その観点から、100本以上の論文にまとめている。

この本の感想

公衆衛生学の面白さを知りました。

経済が悪くなると、失業者が増えて自殺率が増える、失業者が増えることでお金が潤わなくなり物価上昇で悪循環が発生する、そういった当たり前と考えられていることを、公衆衛生学・統計学の視点で立証する。

そのデータを根拠として経済を通して人々の健康に貢献するために助言をしていく重要性を知り、終始ワクワクしながら読破しました。

 

 

ABOUT ME
Chisato823
千里(Chisato) ルワンダ在住、助産師。 ビジネスで女性支援をするためAfricanDaisyを設立 元青年海外協力隊(27-3/ラオス) バツイチ再婚、遠距離恋愛も経験済み。 アフリカ旅情報やルワンダ女性のこと、書評や日常など書いています。