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本:本質を見抜く「考え方」を紹介-情報過多、情報の選択ができる時代だからこそオススメする一冊-

情報過多、SNSの普及によって情報の選択できるようになった今、ものごとの本質について、考え直したくなることはありませんか?世の中でまっとうに聞こえること、立派に言われていることが本当に正しいのか?と疑問を感じるようになったことはありませんか?

そんな疑問を持った時に出会った一冊『本質を見抜く「考え方」』は、溢れかえる情報、偏りやすい情報の中、物事を自分の頭で考えて判断する方法を教えてくれる本です。

この記事ではそんな本『本質を見抜く「考え方」』を紹介します。

本:本質を見抜く「考え方」を紹介

概要

『本質を見抜く「考え方」』は2012年に出版されました。

この本は、著者である中西輝政氏が物事の本質を見抜き自らの考えを持つための思考法を伝授しています。

ものごとの本質を見抜く方法で大切なことは「多角的な方向から見て、曇った眼鏡や色眼鏡、歪んだレンズでものごとを見ないようにすること。」と言います。

そして、そのためには虚心坦懐に「自分の頭で考える」。

では、歪んだレンズを通さずに真っ直ぐに物事を見て、そして自分の頭で考えることができるようになるための実践法を53に分けて紹介しています。

以下では、自分の頭で考えられるようになるための方法の一部をご紹介します。

著者;中西輝政氏の紹介

1947年生まれ。京都大学大学院教授。専攻は国際政治学、国際関係史、文明史。

著書に「情報を読む技術」「大英帝国衰亡史」「日本人としてこれだけは知っておきたいこと」「日本人のこころとかたち」「国民の文明史」「情報亡国の危機ーインテリジェンス・リテラシーのすすめ」『日本の「岐路」』など多数ある。

この本を手に取ったきっかけ

難民を受け入れ国の主張と難民の人権には相容れない複雑な問題があり、ニュースや本で情報収拾しても、自分の考えとしてどう捉えるべきか定まらず、自分の考えの軸となるものに不安定さを感じる時があります。

また途上国で価値観や文化が異なる人と接すると自分の軸となる価値観が全く通じず、不条理なことが多く、自分の考えが正しいのか判断に不安を感じることがあります。そして、自分の考え方そのものに疑問を感じ、この本を手に取りました。

結局は自分で考えて自分の考えを構築していかねばなりませんが、この本では構築方法を多く伝授してくれます。全て取り入れるのではなく、自分で取捨選択しながら参考になる部分を咀嚼し体内に吸収できる本でした。

オススメする人

大小問わず判断に迷う時、みんなが正しいと言っている事に疑問に感じてもその懐疑心自体に不安を感じる時、ものごとの本質について考える上で自分の柱となる考えがわからない、という時に参考になる本です。

印象に残った内容を3つ紹介

宙ぶらりんに耐える

答えが出ないことに耐えられず性急に決めてしまい誤った結果を招くことがあります。著者は決断を急がず「宙ぶらりん」の状態に耐える習慣をつけることが大切だと言います。

3つのセオリーに当てはめて考える

どんな問題が出てきても、まずはこの原則で考えてみようという、汎用性のある考え方があると助かります。

なぜなら、あらかじめ用意しておいたセオリーを利用して物事をとらえると、少ないエネルギーでうまくいくからだと言います。

この本では、物事を考える取っ掛かりとして3つの原理を紹介しています。

①「動あれば反動あり」

ある動きがあれば、その反作用として反対の動きがあると考えておく。

②「慣習の法則」

慣習の法則とは、静止または等速直線運動をする物体は、外部から力を受けないかぎり、その状態を変えないというニュートンの運動法則の一つです。何事を変えるには外部の力がないと動かない、そして変えるもののスケールが大きい場合には大きさに見合った外部の力が必要になるのです。

③「鹿威し」

鹿威しとは少しずつ水を注ぎ容れ、ある程度の水がたまると重みで竹筒が傾いて水がこぼれるというものですが、これを社会問題や日常に置き換えます。要は、バブル時代のように好景気に浮かれていると崩壊するように、一方にバランスを崩すと局面の大転換が起こると例を挙げて説明しています。この法則を理解するとバランスが一方に傾いたときに「何かがおかしい」と気づくことができ崩壊する前に修正することができるようになるのです。

民意もあやまつ

民主主義の基本は「民意」であるが、それを「錦の御旗」にした時、政治は乱れるのと同じように自分の頭で考えなくなったとき、後悔することが多くなる。

この章の中で面白いなと感じたのは、「衆愚」という言葉の紹介です。意味は「愚かなる大衆」。民主主義も間違えば衆愚です。そして民主主義を正しいとふり被していればそれは形を変えた「絶対主義」になりうるのです。

だからこそ、常に多数派が正しいとは限らない、それを認識し、異端を唱える人にも耳を傾け、そして、自分の頭で考える。それが大切であると述べています。

言論の自由を盾に異端を豪語している人もいます。異端を唱えることは大事ですが、社会的モラルや責任を放棄した自由など本当の自由とはいえない、とも著者は言います。

「人に迷惑をかけなければ何をしてもいい」という戦後民主主義を教えられた日本人は自由という意味を誤認識しモラルの崩壊が起こったとも言います。

感想

ものごとは自分の頭で考えなくてはなりません。誰かが言っていたから、世論で大衆が言っているから、それは物事を判断する時の根拠になりません。ではあなたはどう思う?そう言われた時にちゃんと言葉にできるように、そしてその考えをもとにどう行動するか。大小問わず判断が迫られる時は往々にしてあり、自分の考えが定まっていないと不安になり、間違えた決断をし兼ねない。

ここで紹介したことは本書の一部分でしかすぎず、この本にはたくさんの大切なものの考え方を紹介してくれています。

この本を読んで理解したことは、すべての物事には常に対立するものがあって、どちらかを一方を選択するのではなく、バランスを考えることが重要であるということ。だからといって優柔不断でいるのではなく、自分の頭で考え整理すること。

著者も「共存」することが問題の解決につながるといいます。

この一冊で、自分の考え方の整理がつけられました。

ABOUT ME
Chisato823
千里(Chisato) ルワンダ在住、助産師。 ビジネスで女性支援をするためAfricanDaisyを設立 元青年海外協力隊(27-3/ラオス) バツイチ再婚、遠距離恋愛も経験済み。 アフリカ旅情報やルワンダ女性のこと、書評や日常など書いています。